危険物にまつわる規則&法令の基礎知識~危険物取扱者に合格する!

危険物取扱者の国家資格を目指している方は非常に多いようです。特に乙種4類と呼ばれる区分は、ガソリンスタンド勤務に不可欠な資格として知られています。まさに、就職に直結するお役立ち資格の代表といえるでしょう。

しかし、普通に暮らしている限り、なかなか危険物に関する専門知識を得る機会はありません。急に資格の勉強をはじめようと思っても、何から手をつけていいか分からないのが普通です。

そこで、こちらでは危険物に関する規則・法令の基礎知識まとめることにしました。

  1. 危険物の定義とは何か?
  2. 危険物に関する規則にはほかに何があるの?
  3. 消防法における危険物に関連する規則とは?
  4. 危険物に関する主な規則をまとめる!
  5. 危険物の規則・法令に関するよくある質問

こちらのページを読めば、資格試験の勉強をはじめる上での最低限の知識は十分、身につきます。本格的な参考書を開く前の第一歩として、役立てていただければ嬉(うれ)しいです。

1.危険物の定義とは何か?

危険物という言葉は、単に“危ないもの”を指しているわけではありません。実は、法令で厳密に定義されているのです。

もちろん、危険物にはさまざまな種類があり、種類に応じて別々の法令が存在しています。具体的には、高圧ガス保安法、毒物および劇物取締法、火薬類取締法、そして消防法などです。

ただ、日本国内で一般に危険物といった場合、ほとんどは消防法に定められた危険物のことを指します。たとえば、危険物取扱者の資格者が取り扱うことのできる危険物は、消防法に定められた危険物です。そこで、こちらのページでも、原則として“消防法を根拠とする危険物”について解説することにします。

1-1.消防法における危険物の分類

消防法を根拠とする危険物の分類を紹介しましょう。消防法における危険物は、火災・爆発などの危険性を有しています。

もちろん、世の中には“医学的な意味で人体に有毒”といった物質も存在しますが、いわゆる有毒物質などは消防法の範囲外です。こちらのページで危険物と呼称する場合、医学的な意味での有毒物質などは含んでいません。

それでは、消防法における分類を1つずつピックアップしたいと思います。

1-2.第1類危険物

第1類危険物は、酸化性固体です。酸化性固体そのものは不燃物ですが、ほかの物質を酸化する性質を持っています。加熱したり、衝撃を与えたり、あるいは摩擦したりすると、酸素を放出するのです。

中には“酸素を放出するだけなら別にいいんじゃないの?”と思う人もいるでしょう。しかし、酸素には燃焼を促進する効果があります。火災が起きた場合、酸化性固体が酸素を供給して、火災の規模を拡大する恐れがあるわけです。

酸化性固体には、塩素酸塩類・硝酸塩類・無機過酸化物などがあります。特に無機過酸化物のアルカリ金属過酸化物は要注意です。水と反応して熱と酸素を発生するので、水がかかっただけで火災の原因になります。大量の水と反応すると、爆発する恐れもあるのです。

以上から、第1類危険物の火災は基本的に水による冷却消火が可能ですが、アルカリ金属過酸化物のときは乾燥砂・粉末消化剤などで窒息消火しなければなりません。

1-3.第2類危険物

第2類危険物は、可燃性固体です。引火・着火しやすい固体全般を指す言葉と捉えてください。中には自然発火するものもあり、常に火災のリスクと隣り合わせです。また、自然発火しない可燃性固体でも、酸化性物質と混合すると発火・爆発の危険性があります。

可燃性固体には、硫黄・硫化リン・金属粉・マグネシウム・引火性固体などがあり、中には水と反応して自然発火する物質もあるのです。最悪の場合、微粉末が静電気を引き金に着火し、粉塵(ふんじん)爆発を起こすリスクもあるので、取り扱いには厳重な注意を要します。

第2類危険物の消火方法は、物質ごとに異なるので、個々に覚えてください。硫黄や赤リンは水・泡などによる冷却消火です。金属粉や硫化リン・マグネシウムは乾燥砂などによる窒息消火になります。そして、引火性固体の場合は二酸化炭素や粉末消火剤による窒息消火です。

1-4.第3類危険物

第3類危険物は、自然発火性物質および禁水性物質です。自然発火性物質は、空気中で容易に自然発火する物質を指します。そして、禁水性物質は、水に触れるだけで可燃性ガスを発生したり、発火したりする物質です。

第3類危険物には、カリウム・黄リン・ナトリウム・アルキルアルミニウムなどが存在します。ちなみに、大部分の第3類危険物は自然発火性と禁水性を両方とも持っていますが、黄リンは自然発火性だけ、リチウムは禁水性だけです。

以上から、第3類危険物の火災では、粉末消火剤による窒息消火が原則となります。黄リンだけは禁水性を持たないので、水・泡などによる冷却消火でも構いません。

1-5.第4類危険物

第4類危険物は、引火性液体です。引火性液体といっても、厳密には液体そのものが燃えるわけではありません。液体から揮発する蒸気が可燃性なのです。蒸気に引火する燃焼のことを蒸発燃焼と呼びます。

引火性液体の大部分は、油類またはアルコールです。特に、第1類石油類に属するガソリン、第2類石油類に属する灯油・軽油は、多くの人にとって馴染み(なじみ)のある物質でしょう。

消火の際は、二酸化炭素・粉末消火剤による窒息消火、泡・強化液による冷却消火が有効です。

1-6.第5類危険物

第5類危険物は、自己反応性物質です。自己反応性物質は、物質自体が酸素を含んでおり、衝撃や加熱をきっかけに激しく燃焼・爆発する危険があります。火気や加熱を避けるのはもちろんのこと、衝撃・摩擦も厳禁です。

自己反応性物質には、硝酸エステル類・ニトロ化合物・有機過酸化物・ヒドロキシルアミンなどが存在します。硝酸エステル類に属するニトロセルロースは自然発火するので、より危険度が高いです。また、有機過酸化物に属する過酸化ベンゾイルは乾燥により爆発の危険が増します。

消火するときは、原則として水・泡による冷却消火を行いますが、アジ化ナトリウムだけは例外です。アジ化ナトリウムによる火災のときは、乾燥砂による窒息消火を行ってください。

1-7.第6類危険物

第6類危険物は、酸化性液体です。酸化性液体は、ほかの物質を酸化させる液体の総称になります。酸化性液体そのものは不燃性なので、燃えません。しかし、酸素供給源になるので、可燃物と混ざると燃焼を促進することがあるのです。

酸化性液体には、過酸化水素、硝酸、過塩素酸、ハロゲン間化合物などが存在します。単独では燃えないので、火災予防の観点からは“可燃物との接触を避ける”という部分が重要です。

酸化性液体が影響する火災では、原則として水・泡による冷却消火を行います。ただし、ハロゲン間化合物の場合は乾燥砂による窒息消火を行ってください。


危険物乙4試験に最短3日で合格する方法は?