危険物とLPガスの関係とは? ~危険物取扱者・関連する資格について~


LPガスは私たちの生活に必要なものです。たとえば、お湯を沸かすとき、プロパンガスに入っているLPガスを使用します。ボンベの移動や扱いは、きちんと専門の知識を持った者がおこなわなければなりません。素人が誤った扱い方をしてしまうと、火災・爆発が起きるリスクが高まります。では、LPガスを扱うには、一体どんな資格が必要なのでしょうか。そこで、本記事では、LPガスの基礎知識や保安義務・危険物に関連する資格など詳しく説明します。

  1. LPガスとは
  2. LPガスは危険物か?
  3. LPガスの保安業務について
  4. 危険物に関する資格とは
  5. 危険物取扱者と関連する資格とは
  6. LPガス・危険物に関してよくある質問

この記事を読むことで、LPガスや危険物の基礎知識がわかり、扱うために必要な資格を知ることができます。LPガスと危険物について知りたい方や関連する資格の取得を考えている方は必見です。

1.LPガスとは

正しく扱うにはLPガスについて詳しく把握しておかなければなりません。これから、LPガスの定義や種類・使用目的について説明します。

1-1.LPガスの定義

LPガスの正式名称は、液化石油ガスです。主成分はプロパン・ブタンになります。空気より重たく、容易に液化させられることが特徴的です。常温・常圧では気体になりますが、常温で低い圧力をかけるとすぐに液化できます。特に、ブタンは常圧における沸点がマイナス0.5度なので液化しやすいです。また、LPガスはもともと無色・無臭の物体ですが、ガスがもれたときはすぐ気づけるようににおいをつけています。

1-2.LPガスの種類

家庭で使用されているLPガスは、ほとんどプロパンが主成分です。そのため、プロパンガスとも呼ばれています。しかし、ガスライターや工場などで使用されるLPガスの主成分はブタンです。LPガスの種類は、プロパンかブタンのどちらかになります。

1-3.LPガスの使用目的

LPガスの使用目的はさまざまです。たとえば、家庭ではお湯を沸かすために使用することが多いでしょう。家庭以外にも幅広い分野で活躍しています。携帯コンロのガスもLPガスです。また、タクシーやフォークリフト・道路工事に使われる機械の燃料など、多方面で使用されています。

2.LPガスは危険物か?

「LPガスは危険物に含まれるのか?」という疑問を持っている方は多いでしょう。危険物に当てはまるかどうか、消防法における危険物の定義など詳しく説明します。

2-1.消防法における危険物にあたるか?

危険物は消防法によって定められています。消防法によると、危険物は「法別表の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる正常を有するもの」です。危険物の性質は第1類の酸化性固体・第2類の可燃性固体・第3類の禁水質物質・第4類の引火性物質・第5類の自己反応性・第6類の酸化性液体にわかれています。可燃性ガスそのものは指定されていないので、LPガスは危険物に当てはまりません。

2-2.なぜ危険物ではないのか?

それでは、なぜLPガスは危険物ではないのでしょうか。可燃性ガスの一種であるLPガスは、すぐに爆発すると思っていませんか? 爆発・火災が起こるのは酸素・空気に触れるからです。可燃性ガス単体で爆発はしません。また、ガスが充満していても空気をきちんと入れ換えればガスの密度が下がるので爆発を防ぐことができます。危険物に指定されているのは、空気や水に接触すると可燃性ガスを発生する物質です。そのため、可燃性ガスそのものであるLPガスは危険物に当てはまりません。

2-3.LPガスの取り扱い上の注意点

LPガスが空気と混ざり、濃度が2.1~9.5%になると火災・爆発の危険性があります。だからこそ、ガスもれが発生したときは、すぐに換気をしなければなりません。ブタンの場合は1.8~8.4%が注意濃度になります。また、LPガス容器は40度以下での保管が決められているので注意してください。容器の腐食防止のためにも、排水のよい水平な場所・乾燥しやすい状態が好ましいです。

2-4.消防法におけるLPガスの規制について

消防法において、LPガスは危険物に含まれていません。しかし、LPガスを300キログラム以上保管・取り扱う際は、消防署へ届け出が必要になります。「危険物の規制に関する政令 第1条の10の指定物質」にて定めているので、ぜひチェックしてください。また、LPガスを運搬する際は、高圧ガス保安法の「移動」に関する規制がかかります。容器の内容積が20リットル以下、当該積載容器の内容積合計が40リットル以下の場合は、警戒標識を車両に掲げなければなりません。それら以上の内容積の場合は、高圧ガスの文字標識が必要です。

3.LPガスの保安業務について

LPガスを安心・安全に扱うためには、保安業務について知ることが大切です。保安業務とは何なのか、保安点検の必要性・頻度など詳しく説明していきましょう。

3-1.保安点検の必要性

保安点検は、LPガスによる事故を起こさないための大切な作業です。保安業務・点検は、主に7つの項目があります。詳細を以下に記しているので、ぜひチェックしてください。

  • 供給開始時点検・調査:LPガスの供給開始時にすべての設備の点検・調査
  • 容器交換時等供給設備点検:交換容器や圧力調整器・バルブ・供給管などの点検・調査
  • 定期供給設備点検:定期的におこなう供給設備のガスもれ試験
  • 定期消費設備調査:ガス器具・給排気設備などの調査・消費者への通知
  • 周知:LPガス使用上の注意などを記載したパンフレットの定期的配布
  • 緊急対応:ガス器具・給排器設備などの調査・消費者への通知
  • 緊急時連絡:消費者からの災害発生など連絡に対する素早い処置

3-2.保安が必要な設備・施設は?

保安業務が必要な設備・施設は、LPガスを使用している場所です。家庭にあるプロパンガスも認定を受けた保安機関またはLPガス販売店が保安業務をおこなっています。特に、大量のLPガスを供給している設備は貯蔵能力によって点検項目も異なるのです。点検・調査項目および回数については、保安業務ガイド(点検・調査)をチェックしてください。

3-3.保安の頻度について

LPガスの保安業務は、点検内容によって頻度が異なります。たとえば、定期供給設備点検と定期消費設備点検は、4年に1回、地下室の場合は1年に1回の点検が必要です。また、周知においては供給開始時および2年に1回、設備によっては1年に1回の点検をおこなわなければなりません。

3-4.保安業務の資格について

保安業務は誰もができる作業ではありません。きちんとおこなえる人物が定められています。点検・調査ができる有資格者は以下のとおりです。

  • 液化石油ガス設備士免状の交付を受けた者
  • 販売主任者免状の交付を受けた者
  • 製造保安責任者免状の交付を受けた者
  • 業務主任者の代理者の資格を有する者
  • 協会がおこなう講習修了者(保安業務員)

以上の有資格者は、容器交換時等供給設備点検・定期供給設備点検・定期消費設備調査ができます。また、充てん作業者は定期消費設備調査以外、協会がおこなう講習修了者(調査員)は定期供給設備点検以外が可能です。上記の協会がおこなう講習終了者(保安業務員)とは、別の講習になります。保安業務員は、LPガス供給設備や消費設備の点検・調査業務をおこなう者です。

3-5.保安義務講習会について

高圧ガス保安協会では、保安義務講習会を実施しています。保安義務講習会とは何なのか、受験資格など詳しく説明していきましょう。

3-5-1.概要

LPガスの保安義務ができる者の中に、協会がおこなう講習修了者(保安業務員)がいます。協会がおこなう講習が、保安業務員講習です。「LP法規則 第36条 第2項」に基づき、年に3回全国47か所で開催されています。2日間13時間の講義を受け、検定試験を受けると保安業務員の資格が取得できる講習です。

3-5-2.講習資格

保安業務員講習は講習資格がありません。ただ、「保安機関において一般消費者等用LPガス供給設備や消費設備の点検・調査業務などをおこないたい方が対象になります。

3-5-3.講習費

保安業務員講習の受講費用は、12,000円です。申し込みは、講習を施する各都道府県の液化石油ガス教育事務所へ問い合わせてください。また、講習で使用するテキストは別途支払いが必要です。使用テキスト・料金については、使用テキスト・料金ページをチェックしてください。

4.危険物に関する資格とは

危険物に関する資格は、「危険物取扱者」が一般的です。危険物を扱える免状になるため、取得しておくと職場で役立ちます。危険物取扱者とは一体どのような資格なのか、チェックしておきましょう。

4-1.危険物取扱者について

一定数量以上の危険物を貯蔵する・取り扱う工場には、危険物取扱者を置かなければなりません。危険物取扱者は、危険物の取り扱い・保管を熟知している有資格者です。

4-2.種類とその違い

危険物取扱者は、扱える危険物によって甲種・乙種・丙種(へいしゅ)の3種類にわかれています。それぞれの違いについての詳細を以下に記してみました。

  • 甲種:全種類の危険物
  • 乙種:第1類~第6類まで免除を取得した危険物(類)だけ
  • 丙種(へいしゅ):ガソリン・灯油・軽油・重油などの危険物

4-3.職務・職場

危険物取扱者の主な職務は、危険物の取り扱いと定期点検・保安の監督などです。危険物に関する業務をほとんど担当します。職場は、化学工場やガソリンスタンド・タンクローリーなど、危険物を扱っている場所になるでしょう。

4-4.目的・必要性

危険物の中には、火に近づけるとすぐに爆発・火災が起きるものが含まれています。普通のものよりも引火しやすく、危ないものが危険物です。そのため、素人が簡単に扱ってはいけません。危険物を熟知している危険物取扱者だからこそ、安心・安全に保管・取り扱いができます。危険物取扱者は危険物による事故を防ぐために必要な存在です。

4-5.就職・キャリアアップなどのメリット

無資格者よりも有資格者のほうを採用したい企業・会社が多数です。危険物についての知識を習得しているあかしになるため、就職・転職に有利になります。また、危険物取扱者としての経験をつむほど、キャリアアップ・昇給につながるでしょう。有資格者は資格手当ももらえるので、給料も増えます。

4-6.試験概要

それでは、危険物取扱者の受験資格や試験概要など詳しく説明していきましょう。

4-6-1.受験資格

危険物取扱者の乙種・丙種(へいしゅ)は受験資格がありません。性別・年齢問わず、誰もが受験できます。しかし、甲種は注意が必要です。受験資格は以下のとおりになります。

  • 大学などにおいて化学に関する学科を修めて卒業した者
  • 大学などにおいて化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
  • 乙種危険物取扱者免状を有する者
  • 修士・博士の学位を有する者

4-6-2.試験日時

試験日は前期(4月~9月)と後期(10月~3月)にわかれています。受験する資格の種類や受験地によって日にちが異なるので注意してください。試験日の詳細については、試験日程から確認できます。

4-6-3.受験料

受験料は資格の種類によって異なります。甲種は5,000円、乙種は3,400円、丙種(へいしゅ)は2,700円です。受験料は郵便局の窓口から払いこみをしてください。

4-6-4.試験科目

受験科目に関しては、資格の種類によって異なります。以下に記したので、ぜひチェックしてください。

<甲種>

  • 危険物に関する法令
  • 物理学および化学
  • 危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法

<乙種>

  • 危険物に関する法令
  • 基礎的な物理学および基礎的な化学
  • 危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法

<丙種(へいしゅ)>

  • 危険物に関する法令
  • 燃焼および消火に関する基礎知識
  • 危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法

4-7.難易度

全種の危険物が扱える甲種が最も難しいといわれています。受験資格があり、試験範囲が広いため、難易度は「やや難しい」です。次に難しいのが乙種になります。乙種の難易度は「やや易しい」といえるでしょう。そして、ガソリンや石油など一部の危険物が取り扱える丙種(へいしゅ)は、「易しい」レベルです。危険物の基本的な問題を扱うので、初心者でも取得しやすい種類になります。

4-8.勉強のコツ

独学・スクール・通信講座とさまざまな勉強法はありますが、大切なのは「自分に合っているかどうか」です。仕事と両立が難しい方は、自分のペースで勉強ができる通信講座をおすすめします。特に、試験のポイントを押さえたテキストとDVDで映像学習ができるSATの通信講座が好評です。DVDはスマートフォンでも再生できるので、あき時間や移動時間も勉強できると評判になっています。さらに、わからないところがあれば、メールで先生に尋ねることも可能です。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

5.危険物取扱者と関連する資格とは

危険物取扱者と関連する資格は3種類あります。一体どのような資格なのか、チェックしておきましょう。

5-1.危険物保安監督者

危険物の取り扱いにおいて、保安の監督業務をおこなうのが危険物保安監督者です。主に、危険物を取り扱う作業者への指示や消防機関・施設関係者との連絡を担当します。また、「甲種危険物取扱者で実務経験が6か月以上」または「乙種危険物取扱者で実務経験が6か月以上」であることが選任条件です。

5-2.危険物施設保安員

危険物施設保安員は危険物保安監督者の補佐をおこなう者です。主に、危険物施設の定期点検や安全装置などの保安管理を担当します。危険物取扱者など、必要な資格はありません。

5-3.危険物保安統括管理者

大量の第4類危険物を扱う事業所で保安業務の統括・管理を担当するのが危険物保安統括管理者です。主に、事業所全体の保安業務統括を担当します。全体的にまとめる役職になるため、危険物保安監督者・危険物施設保安員との連携が大切です。特に、必要は資格はありません。主に、事業所を統括管理できる社長や工場長などが務めています。

6.LPガス・危険物に関してよくある質問

LPガス・危険物に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

6-1.都市ガスとLPガスの違いとは?

LPガスの主成分はプロパン・ブタンです。一方、都市ガスの主成分は、ほとんどが天然ガスになります。また、LPガスは入ったボンベを配送しますが、都市ガスは道路の下にあるガス導管をとおして供給されるのが基本です。

6-2.高圧ガスのタンクローリーを運転する際に必要な資格とは?

質量が3トン以上のLPガスを運搬する際、甲種化学・乙種化学・丙種(へいしゅ)化学責任者免状・甲種機械もしくは乙種機械責任者免状が必要です。あるいは、液化石油ガスの移動についての講習を受けた者でなければなりません。講習は高圧ガス保安協会がおこなっています。

6-3.LPガス保安業務の記録は保存すべきか?

保安業務でおこなった点検・結果は、きちんと記録しなければなりません。記録の保存期間は記載の日から2年間です。ただし、次に実施されるまでの期間が2年以上の場合は、次回の実施日までになります。

6-4.LPガスの器具は地域によって種類が異なるのか?

都市ガスは地域によってガス器具の種類が異なります。しかし、LPガスは全国共通でガス用設備・器具の使用が可能です。供給を依頼する際は、地域にあるいくつかのLPガス事業者の中から契約する会社を選択することになります。

6-5.高圧ガス移動監視者とは?

高圧ガス移動監視者は、高圧ガスの移動を監視する者のことです。講習と修了考査で取得できます。受験資格はないので、誰もが受講できる資格です。高圧ガス保安協会が年に4回、全国10か所で実施しています。2日間かけて、およそ14時間、法令・移動に必要な学識と保安管理技術などを学ばなければなりません。

高圧ガス移動監視者講習

6-6.教会がおこなう講習修了者の保安業務員と調査員の違いとは?

どちらもLPガス供給設備や消費設備の点検・調査業務をおこないます。しかし、調査員は供給・消費設備の点検・調査業務の実施項目が制限されているのです。保安業務員は定期供給設備点検ができますが、調査員はできません。

まとめ

いかがでしたか? 家庭にも身近なプロパンガスがLPガスに含まれています。LPガスは液化石油ガスのことで、そのものに火災・爆発の恐れはありません。そのため、危険物に指定されていないものです。ただし、主成分であるプロパン・ブタンの濃度によっては火災・爆発の恐れがあります。また、300キログラム以上のLPガスを保管・取り扱う際は消防署などに届け出を提出しなければなりません。安全・安心に扱うためにも、LPガスの基礎知識を把握することが大切です。危険物の取り扱いがしたい方は、危険物取扱者を取得しましょう。就職やスキルアップに役立ちます。自分自身に必要な知識を身につけてくださいね。


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