危険物第4類・引火性液体の特徴や分類されている物質とは?

危険物取扱者は、危険物の取り扱いや危険物貯蔵所の定期点検・保安監督業務などを行うことができる資格です。有資格者を必要としている職場はたくさんあることから、学生から社会人にまで人気の資格であり、毎年多くの方が取得にチャレンジします。危険物取扱者にはいくつかの種類がありますが、最も人気があるものは危険物第4類に指定されている引火性液体を扱うことのできる、乙種4類、通称乙4です。

そこで、今回は、危険物第4類に指定されている引火性液体について解説しましょう。

  1. 危険物に関する基礎知識
  2. 危険物第4類・引火性液体について
  3. 危険物乙種4類を取得するメリットなど
  4. 危険物第4類に対するよくある質問

この記事を読めば、危険物乙種4類が人気の理由なども分かりますよ。危険物取扱者の資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてくださいね。

1.危険物に関する基礎知識

はじめに、危険物の定義や分類などについて解説します。どのような物質が危険物に指定されているのでしょうか?

1-1.危険物の定義

危険物は、火災を起こす可能性が高い物質の総称です。といっても、火災を起こしやすい物質すべてが危険物ではありません。消防法という法律によって指定されている物質が危険物と呼ばれ、物質ごとに定められた「指定数量」を超える量を保管したり取り扱ったりする場合は、危険物取扱者の資格が必要なのです。

1-2.危険物の種類と分類

現在のところ、危険物には物質自体が発火しやすかったり引火しやすかったりする「可燃性物質」と、物質自体に発火・引火の危険性は少ないものの、酸素供給源となって火災を大きくする可能性がある「支燃性物質」があります。
また、危険物は特徴ごとに1類~6類まで以下のように分類されているのです。

  1. 酸化性固体
  2. 可燃性固体
  3. 自然発火性物質および禁水性物質
  4. 引火性液体
  5. 自己反応性物質
  6. 酸化性液体

危険物はカテゴリーごとに共通の特徴があるため、保管方法や取り扱い方法が異なります。また、一緒に移送が可能な類と不可能な類もあるので、よく覚えておきましょう。
なお、現在のところ危険物は、常温で液体か固体の物質だけが指定されており、気体は別の法律で取り扱い方や保管方法が定められています(高圧ガス保安法など)。

1-3.危険物と消防法

消防法とは、火災から人命や財産を守るために定められた法律です。危険物の定義や取り扱い方、保管方法の決まりの他、消火設備の設置基準や点検基準・点検を行う資格者などが定められています。消防法を基にして危険物に対する独自の条例を定めている自治体も多いのです。

消防法の中で危険物に対する条文としては、第2条7項が有名で、よく危険物取扱者の試験にも出題されます。資格取得を目指す方は目を通しておきましょう。

2.危険物第4類・引火性液体について

この項では、引火性液体の特徴や概要について解説します。危険物取扱者乙種4類を受験する方は、参考にしてください。

2-1.引火性液体とは?

危険物第4類に指定されている引火性液体とは、引火しやすい液体の総称です。

  • 可燃性蒸気が発生しやすく、空気と混合した場合、点火源(てんかげん、火種のこと)を与えると引火したり爆発したりする
  • 可燃性蒸気は空気より重く、低地に溜まりやすい
  • 水に溶けず、比重が水よりも軽いので水に浮く
  • 静電気を発生させやすい
  • 酸化剤と混合させると発火しやすい

という共通の特徴があります。ガソリン・灯油・軽油など私たちの生活に欠かせない危険物も、引火性液体に指定されているのです。

2-2.引火性液体が重要視される理由

危険物第4類・引火性液体には、石油由来の物質が多く含まれています。前述したように、石油を原料とするガソリンや灯油・軽油・重油は、自動車やボイラー・暖房器具の燃料・石油製品の原料として、幅広い場所で使用されている物質です。また、貯蔵や取り扱いだけでなく、移送も盛んに行われているため、危険物取扱者の需要も高くなっています。

ちなみに、危険物取扱者の中で引火性液体を取り扱うことができる資格は、甲種・乙種4類・丙種の3種類です。甲種は、すべての危険物を取り扱いや保安監督業務が行える資格ですが、資格試験を受験するには大学で化学に関する指定の単位を取得しているなど、受験資格が必要になります。乙種4類と丙種に受験資格はありません。ただし、丙種は引火性液体の一部の取り扱いと点検業務を行えますが、保安監督業務は行えないため、乙種4類の方を受験した方がよいでしょう。そのため、乙種4類は危険物取扱者の中で最も受験者数が多くなっています。

2-3.引火性液体の分類について

引火性液体にはたくさんの物質が指定されているので、さらにその中で、

  • 特殊引火物(引火点が‐20℃以下・40℃未満で沸騰・発火点が100℃未満の物質、最も火災の危険性が高い)
  • アルコール類(工業用・飲用のアルコール類)
  • 植物油類(食用油である大豆油やヒマワリ油など)
  • 石油類(第1~第4まで引火点によって分類されている)

の4種類に分類されています。皆様におなじみの灯油・ガソリン・軽油・重油はすべて石油類です。石油類は、引火点によって第1~第4に分類されており、数字が若いほど引火点は低くなっています。ちなみに、ガソリンは第1石油類、灯油と軽油は第2石油類に分類されているのです。また、サラダオイルなどの食用油は植物油類に指定されています。

2-4.第4類について覚えておくこと

第4類に分類されている引火性液体は、数が多く、覚えることがたくさんあります。物質の名前を覚えるのはもちろんのこと

  • 水に溶けるか溶けないか(一部の引火性液体は水に溶ける)
  • 水より軽いか重いか(一部の引火性液体は水より重い)
  • 引火点(石油類の覚え分けに必ず覚えておく)
  • 発火点
  • 沸点
  • 液比重・蒸気比重
  • 色付きの有無
  • 引火の危険性が高いものと低いもの

などについても覚えておきましょう。前項で引火性液体の共通の特徴を挙げましたが、それに当てはまらないものから覚えておくと記憶に残りやすいと思います。

3.危険物乙種4類を取得するメリットなど

引火性液体を取り扱ったり保安監督業務を行ったりすることができ、誰でも取得可能な資格は危険物取扱者乙種4類です。有資格者を求めている職場といえばガソリンスタンドが有名ですが、その他にも化学工場・石油プラント・ボイラー設備のある場所、酒造会社・食用油を大量に取り扱う場所などに需要があります。
危険物取扱者の資格取得にチャレンジする場合はまずこの資格を取得し、乙種の他の類を取得したり、実務経験を積んで甲種にチャレンジする方も多いでしょう。

資格を取得するには、消防試験研究センターが主催する試験を受けて合格する必要があります。試験内容や資格取得のための勉強方法についてはこちらの記事が詳しいので、ぜひご一読ください。

4.危険物第4類に対するよくある質問

Q.家庭で灯油を保管するケースは珍しくありませんが、危険物取扱者の資格は必要ないのでしょうか?
A.灯油の指定数量は、1,000リットルです。指定数量未満を貯蔵する場合、資格は必要ありません。

Q.引火性液体を保管する場合は、なぜ専用の容器が必要なのですか?
A.前述したように揮発性が高く、専用の容器に入れないと可燃性の蒸気が発生するため、容器は専用のものを使用します。

Q.危険物取扱者乙種4類は、独学でも取得可能ですか?
A.可能ですが、参考書を一読して分からないことが多い場合は、通信教材を利用するとよいでしょう。

Q.危険物取扱者乙種4類は最低何時間勉強すれば取得可能ですか?
A.SATの教材を利用すれば、最低で20時間勉強すれば合格に必要な知識が身につくでしょう。

Q.危険物取扱者は乙種4類さえ取得していれば、就職や転職に有利ですか?
A.転職・就職の武器として資格を利用したい場合は、乙種の他の類も取得しておいた方がよいでしょう。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、危険物第4類・引火性液体について解説しました。私たちの身近にある物質ですが、覚えることが多いため、勉強し始めの頃は苦労するかもしれません。過去問をくり返し解くなどして分類ごとの特徴や共通の特徴をよく覚えましょう。乙種4類の資格を取得すれば、他の類の資格も取得しやすくなります。


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