危険物取扱所などの警報設備について。設置基準や点検方法は?

警報設備とは、火災や危険物の流出が発生した時に危険を知らせ、避難を促すための設備です。指定数量の倍数が10以上の危険物を製造している設備などでは、設置が義務づけられています。また、警報設備と共に避難設備の設置も必要であり、これらは定期的な整備も必要です。

今回は、警報設備の設置基準や保守整備を行う方法などを紹介します。

  1. 警報設備の基礎知識
  2. 警報設備が必要な場所などについて
  3. 保守点検を行う資格について
  4. 警報設備に関するよくある質問

この記事を読めば、警報設備の大切さだけでなく取り扱える資格などもよく分かることでしょう。危険物取扱者の資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてくださいね。

1.警報設備の基礎知識

はじめに、警報設備の種類や危険物取扱所での設置基準などを解説します。どのような設備なのでしょうか?

1-1.警報設備とは

警報設備とは、サイレンなどで火災の発生を告げたり、自動で消防署に火災発生を知らせたりする設備の総称です。一般家庭にも、煙を感知して警報を鳴らす警報器の設置が義務づけられていますので、見たことのある方は多いことでしょう。また、非常ベルも警報設備の一種です。

警報設備は、本来火災の発生を知らせるために使われます。危険物を取り扱ったり貯蔵していたりする施設では、危険物が流出した時にも使われるのです。

1-2.警報設備の種類

警報設備にはいろいろな種類がありますが、危険物を取り扱ったり貯蔵したりしている施設では、

  • 非常ベル
  • 自動火災報知器
  • 拡声装置
  • 警鐘

を設置します。拡声装置とは、有線放送や拡声器のことで、避難を促す際などに使われるものです。

1-3.危険物と警報設備の関係

危険物とは、消防法で指定されている火災の原因となりやすい物質の総称です。ガソリンや灯油など、私たちの生活に欠かせないものも、危険物の一種となります。危険物が原因で発生した火災も危険ですが、危険物が貯蔵庫や保管容器から流出した時点で、火災の危険性があるでしょう。そのため、消防法や消防施行令で警報設備の設置が義務づけられているのです。

ちなみに、貯蔵所や取扱所の構造によっては、非常口や誘導灯などの避難設備の設置が義務づけられており、それについては後で解説しましょう。

2.警報設備が必要な場所などについて

この項では、警報設備が必要な場所や設置基準を紹介します。どのような場所に設置が義務づけられているのでしょうか?

2-1.設置基準

危険物を取り扱ったり貯蔵したりしている場所では、以下のような場所に警報設備が設置することが義務づけられています。

  • 指定数量の10倍以上の危険物を製造している場所
  • 指定数量の100倍以上の屋内貯蔵所や一般取扱所
  • 消火が難しい特定の場所に設置されている屋外タンク貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・給油取扱所

なお、タンクローリーのような移動取扱所は、警報装置の設置義務はありません。また、2階建て以上の建物を事務所として使い、同じ敷地内に危険物の貯蔵所・製造所・取扱所がある場合は、避難口や誘導灯などの避難設備の設置が必要です。

2-2.設置する警報設備

警報設備は、自動火災報知機が基本です。火災報知器が設置できない場所では、非常ベルや拡声装置・消防署に通報できる電話などの設置が義務づけられています。なお、オフィスビルや大型商業施設のように一定の床面積に1つ、といったような設置の仕方をする必要はありません。

2-3.自治体の条例について

警報設備の設置には、自治体が独自の条例を定めているところもあります。ですから、危険物取扱者の資格を活用して危険物取扱所や危険物貯蔵所で働く場合は、必ず自治体の条例を確認しましょう。大抵の場合は、消防署で教えてくれます。

3.保守点検を行う資格について

警報設備の設置や定期点検などを行うには、消防設備士という資格が必要になります。消防設備士には、13種類の資格区分がありますが、危険物取扱所などに設置されている警報設備の設置や点検を行えるのは、4類と7類です。避難設備は5類が点検を行います。消防設備士には甲種と乙種がありますが、点検はどちらでも行え、設置には甲種の資格が必要です。

警報設備の点検は専門の業者に依頼することもできますが、危険物取扱者の有資格者が消防設備士の資格を取得すれば、設置や点検もできるようになります。消防設備士の資格試験は受験資格も定められておらず、危険物取扱者と同じ、消防試験研究センターが試験を主催しているので、挑戦もしやすいでしょう。消防設備士の資格区分や取得方法などは、こちらの記事にも詳しく記載されています。ぜひ読んでみてください。

4.危険物取扱者について

危険物取扱者とは、文字どおり危険物の取り扱いや保安監督業務を行うことのできる資格です。甲種・乙種・丙種の3種類があり、この中でも、危険物第4類を取り扱うことのできる乙種4類はよく知られています。危険物にはそれぞれ指定数量が定められており、それを超える危険物を取り扱ったり貯蔵していたりする場合は、有資格者の選任が必要です。ガソリンスタンドをはじめとして、有資格者を求めている職場は多いので、資格を取得すれば、転職や就職に役立つことでしょう。

危険物取扱者の資格を取得するためには、消防試験研究センターが主催する試験を受け、合格する必要があります。乙種と丙種は受験資格が定められていないため、幅広い年代の方が資格取得を目指してチャレンジする試験です。試験の勉強方法や受験の申し込み方法、資格の活用方法などはこちらの記事にも詳しく記載されていますので、参考にしてください。

5.警報設備に関するよくある質問

Q.危険物取扱所では、どのくらいの数の警報設備が必要ですか?
A.敷地が広大で、危険物貯蔵所から事務所までの距離がある場合は、危険物の近くに警報装置を設置し、事務所で警報を受信できるようにしておきましょう。

Q.避難設備は、どのような設備に必要ですか?
A.事務所が2階以上にある場合は、設置が必要になります。

Q.電話は普通のものでも大丈夫ですか?
A.かまいません。

Q.スプリンクラーなどは設置しなくてもよいのでしょうか?
A.危険物の中には冷却消火ができないものも多いので、むやみに取りつけるのはかえって危険です。

Q.危険物取扱者は、警報設備の点検は行えないのでしょうか?
A.消防法で義務づけられている定期点検を行うことはできません。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は危険物の取扱所などに設置される警報設備について解説しました。消火設備が含まれていないのは、危険物によって消化方法が異なるためです。また、危険物が引火すれば爆発などを引き起こす恐れがあり、初期消火をむやみに行うのは危険なこともあります。危険物取扱者の資格を取得している方は、消防設備士の資格にチャレンジしてみると、仕事の幅が広がるでしょう。


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