自衛消防組織って何?役割・編成・設置や講習などを詳しく解説!

危険物を取り扱う企業では、火災などの事故が怖いものです。特に、ガソリンなどの引火性液体は、取り扱いを間違えると大事故につながってしまいます。そのため、万が一のときの対策として、事業所内に自衛消防組織を編成しているのです。しかし、どんな活動をしているのか、よくわからない人もいることでしょう。そこで、今回は、自衛消防組織について詳しく解説します。

  1. 自衛消防組織とは自衛消防組織の概要を学ぼう
  2. 自衛消防組織の編成について
  3. 自衛消防組織の設置と届け出
  4. 自衛消防組織の講習について
  5. 自衛消防組織に関するよくある質問

この記事を読むことで、自衛消防組織について詳しい知識が身に付き、必要な資格取得に向けて準備を進めることができます。ぜひじっくり読んでみてください。

1.自衛消防組織とは

最初に、自衛消防組織についての基本を学びましょう。

1-1.自衛消防組織とはどんなものか

自衛消防組織とは、火災の予防・発生時の消化・再発の防止などの活動を行う組織です。自衛消防組織の設置は、危険物を取り扱う一定規模以上の事業所に義務づけられています。なお、構成員は事業所の従業員です。

1-2.自衛消防組織に関するそのほかのこと

自衛消防組織は、消防法第14条の4に基づいて編成します。また、関連して、「危険物の規制に関する政令」や「危険物の規制に関する規則」も併せて理解しておきましょう。法律で設置が義務づけられている事業所はもちろん、義務がない事業所にとっても、万が一のときのために自衛消防組織を編成・活動することは大きな意味があります。

2.自衛消防組織の概要を学ぼう

自衛消防組織の概要について、設置すべき事業所の条件や主な役割・業務を解説します。

2-1.自衛消防組織を設置すべき事業所

自衛消防組織は、以下の条件を満たす事業所は設置が義務となります。第4類の危険物はガソリンなど引火性が高く、火災の発生につながりやすいため設置義務があるのです。

  • 第4類の危険物(引火性液体)を取り扱う
  • 製造所や一般取扱所は指定数量の3000倍以上
  • 移送取扱所の場合は指定数量以上

2-2.自衛消防組織の役割や業務

自衛消防組織の役割や主な業務は、以下を参考にしてください。

  • 火災発生の予防および啓発
  • 火災発生時の初期対応
  • 従業員の避難誘導
  • 応急救護
  • 火災再発の防止
  • 事業所内の安全チェックおよび記録
  • 消防訓練の実施

3.自衛消防組織の編成について

自衛消防組織の編成について、詳しく解説します。編成人数や必要な有資格者について理解しておきましょう。

3-1.自衛消防組織の編成人数

自衛消防組織の編成人数は、第4類の危険物の最大数量によって異なります。詳しくは、以下を参考にしてください。

  • 第4類の危険物の最大数量が指定数量の12万倍未満:5人
  • 第4類の危険物の最大数量が指定数量の12万倍以上24万倍未満:10人
  • 第4類の危険物の最大数量が指定数量の24万倍以上48万倍未満:15人
  • 第4類の危険物の最大数量が指定数量の48万倍以上:20人

3-2.組織編成について

自衛消防組織の組織編成は、統括管理者・告示班長・班員で構成します。編成人数は、前述のとおり、第4類の危険物の取り扱い量に応じて決めましょう。本部隊内部には、統括管理者の下に「初期消火班」「避難誘導班」「応急救護班」「通報連絡班」など、担当職務を決めた班を作ります。それぞれの班で、告示班長を指名してください。また、管轄地区における自衛消防活動を実施する地区隊も同時に編成しましょう。

3-3.自衛消防組織に必要な有資格者とは

自衛消防組織で統括管理者もしくは告示班長は、自衛消防業務講習を修了している必要があります。危険物の取り扱いや消防に関する正しい知識を身に付けているからこそ、班員やそのほかの従業員に的確な指示を出すことができるからです。統括管理者もしくは告示班長になるためにも、自衛消防業務講習を受けましょう。

4.自衛消防組織の設置と届け出

自衛消防組織の設置や届け出について詳しく解説します。設置の流れや届け出の方法などを学びましょう。

4-1.自衛消防組織の設置の流れ

自衛消防組織を設置する流れについて、以下を参考にしてください。

  1. 自衛消防組織管理原案者が原案を作成する
  2. 自衛消防協議会を開いて具体的な業務を協議・決定する
  3. 自衛消防組織の設置(管理統括者・班長・班員などの指名)
  4. 統括の消防署長宛てに届け出をする

4-2.届け出の必要性について

自衛消防組織を設置したときは、必ず届け出をしてください。届け出をすることで、事業所が法律を守っていることをアピールできるだけでなく、いざというときに自治体の消防隊と連携して、事故を最小限にとどめるために役に立ちます。届け出が正しく行われていることが、大切なのです。

4-3.自衛消防組織の届け出方法

自衛消防組織を設置したときは、管轄の消防署長に届け出る必要があります。具体的には、「自衛消防組織設置(変更)届出書」を記入し、提出しましょう。専用フォーマットがあるので、適宜ダウンロードして使います。より詳しいことは、東京消防庁の自衛消防組織の設置に関する説明ページを参考にしてください。

4-4.自衛消防組織の設置と届け出に関するそのほかのこと

自衛消防組織は、単に設置しただけの状態では意味がありません。事故が起きたときに適切な対応ができるように、消防訓練などを行って従業員に安全管理への意識を高めるだけでなく、問題点を改善していくことが大切です。また、設置時から組織変更があった場合は、きちんと変更届を提出してください。

5.自衛消防業務講習について

自衛消防業務講習について詳しく学びましょう。目的・受講すべき人・講習概要などを解説します。

5-1.自衛消防業務講習の目的

自衛消防業務講習の目的は、自衛消防に関する正しい知識を身に付けることです。第4類危険物は、特に引火性が高く、取り扱いを間違えると大事故につながってしまいます。自衛消防組織を編成するものとして、火災の予防や被害の最小化・二次災害や再発の防止に関して必要なことを学び、いざというときのために備えるために、講習の意味があるのです。

5-2.自衛消防業務講習を受講すべき人

自衛消防業務講習は、組織のリーダー(統括管理者)は必ず受講すべきです。リーダーは、万が一のときに編成員に的確な指示を与え、災害の拡大化を防ぐ必要があります。冷静に的確な指示を与えるためには、普段から正しい知識を身に付けておくことが重要です。また、リーダーでなくても、編成員として講習を受講することは大変有意義と言えます。

5-3.自衛消防業務講習の概要

自衛消防業務講習の概要は、下記をご覧ください。

  • 受講資格:なし
  • 講習日時:2日間
  • 申し込み方法:(東京都の場合)消防署で案内書一式を入手もしくは受講申請書をダウンロードし郵送
  • 受講料金:38,000円
  • そのほかの注意点:受験申請書に本人確認用に縦3cm×横2.4cmの写真の貼り付けが必要

なお、より詳しいことは一般財団法人日本消防設備安全センターの自衛消防本部新規講習の案内ページを参考にしてください。

6.自衛消防組織に関するよくある質問

最後に、自衛消防組織に関するよくある質問に回答します。それぞれ確認し、疑問をなくしておきましょう。

6-1.自衛消防組織の統括管理者が退職・転勤になった場合は?

統括管理者の指名を受けたものが退職・転勤などで職務から離れる場合は、新たにほかの人を指名する必要があります。自衛消防業務講習修了者の中から、適任者を指名してください。また、管轄の消防署長宛てに、「自衛消防組織設置(変更)届出書」にて統括管理者を変更した旨を申告することを忘れないようにしましょう。

6-2.自衛消防業務講習は管轄の都道府県で受けるべきですか?

自衛消防業務講習は、事業所の管轄の都道府県で受けるほかにも、全国で受けることができます。日程などを考えて、都合のいい場所を選びましょう。受講内容に関しては、どこで受けても必要な知識を習得できますので安心してください。

6-3.自衛消防業務講習の受講終了から住所変更があった場合は?

修了証および免状に記載のある氏名や住所に変更があった場合は、速やかに変更申請をしてください。申請書の申し込みは、一般財団法人日本消防設備案内センターに郵便にて請求して取り寄せましょう。なお、返信用封筒に82円切手を貼ったものを同封してください。

6-4.女性でも自衛消防業務講習を受ける意味はありますか?

自衛消防組織の編成に、男女の区別はありません。従って、女性であっても管理統括者および告示班長になるために、自衛消防業務講習を受ける意味は大きいと言えます。職場の安全を守るというやりがいもあり、スキルアップもできるので機会があったらぜひ受講してください。

6-5.自衛消防業務講習は1回受けるだけでいいのですか?

自衛消防業務講習は、5年に1回再受講する必要があります。忘れずに受講申し込みをして、必要な講習を受けましょう。再講習に関しては、1日間・5時間の内容です。より詳しい内容は、一般財団法人日本消防設備安全センターの自衛消防本部再講習の案内ページを参照ください。

まとめ

今回は、自衛消防組織について詳しく解説しました。第4類の危険物である引火性液体を取り扱う企業にとって、自衛消防組織の編成は法律で義務づけられています。しかし、まずは、存在の意味や目的を正しく理解することが大切です。また、必要に応じて講習を受け、専門知識を身につけることが求められています。常に火災へのリスクを意識し、毎日の生産活動を安全・安心して進めていくためにも、記事を参考に講習を受けるなどの検討をしてください。


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